행위

日本語版論文概要

avatamsakasutra


佛敎經典テキスト電子化へのデータモデルの開発研究
- 高麗大藏經版華嚴經―入法界品―を中心に –

Avatamsaka Sutra Digital Archive










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Avatamsaka Sutra GAṆḌAVYŪHA Network Graph





1.本研究の目的と背景

本研究は仏教經典をデジタル媒体で読み探求する方法を模索する研究の一環として、高麗大蔵經の「華厳經」の付属品である『十地品』と『入法界品』を扱い2つの品の間にある相関性をデータで表現し『入法界品』の求法者である善財童子をめぐる核心的な文学展開要素を視覚的に表現する方法を講究したものである。
デジタル学術環境は世界各地の研究所に保管されている仏教經典を現場に直接に行かずに読 むことが出来るように電子テキストや画像を提供している。例えば台湾の「CBETA(中華電子仏典協会)」、日本の「SAT(大正新脩大蔵經)」、ドイツの「GRETIL」、韓国の「仏教記録文化遺産アーカイブ」などが代表的な仏教經典デジタルテキストアーカイブである。
韓国の東国大学校仏教学術院が構築·公開している「仏教記録文化遺産アーカイブ」は高麗時代1237~1251年に版刻された再雕高麗大藏經を底本とするデジタルテキストアーカイブであって「統合大蔵經」、「韓国仏教全書」、「高麗敎藏」、「新集成文献」、「變相圖」、「近代仏教雑誌」、「近代仏教文献」をカテゴリに經典情報を提供している。とくに「高麗敎藏」は 義天の「新編諸宗教蔵總録」に基づき 經·律·論の三蔵に関する東アジア仏教の注釈書を選別しその章疏の名前と撰者の情報を収録し 計1,010部、4,878冊の章疏の情報インデックスを提供するデータベースを開発し、アーカイブで情報を提供している。
一方、「仏教記録文化遺産アーカイブ」ではそのインデックスや經典を提供するシステムは高麗大蔵経が当時創作された姿そのままの保管形態や配列基準を設計に導入し大蔵経の原形をデジタル空間に具現化する意図を持っていた。その構造体系や分類体系に変化を起こさないように注意して設計したことが特徴である。
しかし經典はその編纂と流通の過程を振り返って見ると經を構造する要素にはかなりの変化があり絶対的な構造体系や分類体系があるとは断言できない。現代に伝わる仏經は数世紀に亘って様々な地域で翻訳、 統合、 編纂された所産である。
現代は知識の資源となる様々な形態のテキストをデジタル環境でデジタル媒体を通じて獲得する時代である。長い歴史と宗教的権威を持つ經典のテキストは現代の読者に読まれやすくその形を急速に変えている。テキストの文脈を把握し行間の意味を読んで、ある含意を導出する一連の研究活動が容易かつ具体的に行われるように經典テキストをデジタル空間で新たに編集する必要がある。
研究者はこの研究を通じて經典を構成する要素を順に並べる既存のテキストから各要素を選定し一つの独立したidや意味情報を持つデータに変換しそれらの意味と意味の連結を求めるセマンティックデータベースを開発し、互いに深い関係がある意味要素を連結し經文とその解釈を連携する。
現在の「仏教記録文化遺産アーカイブ」がデジタル時代の読者たちに高麗大蔵經の本来の体系と内容を示す意義を持つものであれば、そのような歴史性を基盤にして「仏經」本来の変曲性を生かして本研究所では「華厳経入法界品デジタルアーカイブ」を設計した。


2. 研究方法と内容

華厳経入法界品デジタルアーカイブの設計と構築

2.1.データモデルの設計とその視覚化、入法界品セマンティックネットワークグラフ

本研究は唐の実車難陀訳『大方廣佛華嚴經』の「十地品」と「入法界品」を主なるテキストに活用し、「華厳十地」の修行とその実践である「入法界品」の有意な関係を表す意味基盤データベース「Semantic Database」を設計した。 200758文字の長編小説一冊分量である「入法界品」の要素がどのような意味や脈絡を持ち仏典文学の形態を成したのか視覚的、意味構造的に確認できるように設計することに「華厳経入法界品デジタルアーカイブ」の具現意義がある。「入法界品」と『十地品』この二つの資源をセマンティックウェブ基盤のオントロジー設計によりデータ構造化する研究は次のように行われた。
セマンティックウェブオントロジーは、ウェブ世界のHTML文書やXML文書などの電子記録物の記録属性を相互参照できるようにして、そのメタデータへのアクセスを意味するネットワークとして機能させるものである。
オントロジーの設計のためには、第一に当該リソースの知識要素を探索·分析しそれらをリスト化した個要素を「ノード( 個体 )」に変換する。さらに、個体の群集の中で互いにその性格が類似するものを纏めることができる範疇である「クラス(class)」を作り、それぞれのクラスに該当する個体の属性を把握した後、その共通の属性を盛り込む枠組みを作る。そして各個体が情報化の対象世界の中で互いにどのような意味関係を結んでいるかを分析し関係性(Relation)を設計する。

本研究で考案された『華厳経入法界品デジタルアーカイブ』では、「入法界品」で求法巡礼をする善財童子と彼に教えを与える師、その教えを構成する個体がそれぞれクラスActorとTextで結ばれ、師の菩薩行がどの經典に根源を置くのか、「十地品」の修行要素をクラスMoralで結んだ後、各クラスに該当する個体がどのような意味脈絡で緊密な関係を結んでいるのか構造化した。
一方、このようなクラスと関係性の定義はデータの標準化のために国際的にその汎用性が認められた標準語彙を活用することが推奨されるが、本研究で採用した標準オントロジー語彙は次のオントロジーモデルに基づき、本研究で設計した華厳経入法界品オントロジーの名称はGDVH(Data Model for sutra Gandavyuha)と命名した。


区分 説明 ネームスペース 適用分野
EKC(Data Model for the Encyclopedic Archives of Korean Culture) 韓国学に関する文書の特色を反映したメタデータ定義 http://dh.aks.ac.kr/ontologies/ekc# 韓国歴史文化情報
GDVH(Data Model for sutra Gandavyuha) 実車乱打訳本華厳経と関連した文献、場所、変相図、修行など教学情報を持つメタデータ定義 http://dh.aks.ac.kr/ontologies/gdvh# 華厳経関連文献
DC(Dublin Core) メデータ要素の集合で15個の用語と数十個の属性、クラス、データ類型および語彙を定義 http://purl.org/dc/terms# 資源
RDA Registry 国際図書館協会連盟(IFLA)のセマンティックリファレンスモデルでRDA個体のプロパティ語彙の定義 http://www.rdaregistry.info/Elements/u/ 人物、機関
FOAF(Friend of a Friend) 人物のソーシャルネットワークを明示するのに必要なメタデータ定義や関係属性定義 http://xmlns.com/foaf/0.1# 人物、機関
EDM(Europeana Data Model) 欧州文化遺産データのスキーマ定義 http://www.europeana.eu/schemas/edm# 歴史文化情報一般
OWL オントロジー発刊と共有のためのセマンティックウェブ生成言語 http://www.w3.org/2002/07/owl#


[表1.標準オントロジー語彙参照]

『華厳経入法界品デジタルアーカイブ』のオントロジークラスは文献、法文、場所、行為者、行為、修行、マルチメディアになる。
本研究では「入法界品」と「十地品」を分析し、経典の主要素を個体に変換した総計は698件である。 本研究で設計したクラスとデータの総数量は下表の通りであり、これを基に作ったリンクデータ数量は計1069件である。

クラス 分類
Action 行為 10
Actor 行為者 340
BibliographicResource 文献 22
Moral 修行 40
Place 場所 75
Text 法文 172
Multimedia マルチメディア 39
総計 - 698

[表2.ノードデータ分析対象資源]



[挿図1.セマンティックデータベースによる華厳経入法界品視覚化]

2.2.華厳変相図VRアーカイブ

東国大学校仏教学術院の『仏教記録文化遺産アーカイブ』が提供する実叉難陀訳本の『大方廣仏華嚴経』の高麗大蔵経版本は各巻の内容を縮約表現した変相図を集め、『大方廣仏華厳変相図』にハイパーリンクを付けてそれを視覚化アーカイブに登載し「入法界品」を構成する情報を紹介できるように設計した。
パノラマ空間で特定の菩薩をクリックすると本研究から開発された「入法界品登場人物辞書」に収録された菩薩の情報に移動できるようイメージにハイパーリンクを付けており、またこれらのアドレス情報を持つデータは『華厳経入法界品デジタルアーカイブ』のセマンティックデータベースを構成するクラス「Multimedia」の個体として所属し、下図のようにセマンティックネットワークで接続される。


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[挿図2.大周新訳大方広仏華嚴-入法界品変相図VR空間の例]

2.3. 華厳経入法界品辞書構築

本研究の論文、「Ⅲ. 華厳経入法界品デジタルアーカイブの設計と構築」では「華厳経入法界品デジタルアーカイブ」を構成するクラスの中で5つのクラス法文(Text)、場所(Place)、行為者(Actor)、行為(Action)、修行(Moral)に纏められた個体をそれぞれ入法界品登場人物辞書と入法界品仏教用語辞書に登録し各分野のデータの情報をメディアウィキに具現した。 二つの辞書はメディアウィキを通じて提供されている。
本研究で「華厳経入法界品電子仏典編纂のためのデータモデル」を具現化するために参考にした先行モデルはメディアウィキを基に浄土宗系電子仏典を開発した「新纂浄土宗大辞典」 があり、辞典の構造としては「佛學規範資料庫」と「 伽山佛敎大辭林」、 Charles MullerのDigital Dictionary of Buddhismを参考にした。
また、本研究で開発した二つの辞書のウィキペディア編纂形式と検索語機能の開発については韓国学中央研究院人文情報学研究所の朝鮮王朝実録ウィキペディアを参考にした。
二つの華厳経電子辞書の類型は、以下のように定義している。

規模: 小
形態: ウェブサービス
目的:学習用、参照用
言語:多言語(梵語、漢文)
情報根拠: 資料中心
テキスト構造: テーマ分類
情報範囲:百科情報、包括的情報
規範性: 記述中心
テーマ:宗教(仏教)
利用者: 専門家



2.3.1 入法界品登場人物デジタル辞書

メディアウィキを基盤とした「入法界品登場人物辞書」にはクラスの行為者に該当する人物個体の情報が登録されている。
その例に『入法界品登場人物辞書』の普賢菩薩はNoteで2行の人物情報の要約と共に彼に関する法文を紹介した。

華厳経入法界品に登場する行為者(Actor)クラスの菩薩、善知識、師父大衆などをはじめとし、行為者クラスとして定義されていない人物、例えば名前だけが言及され仏殿で梵談をしたことか法会に出席したという記録がない人物も本殿に登載している。
入法界品登場人物辞書には計558人の登場人物が登載されており、そのうち188人は釈迦牟尼仏の過去仏として論じられた人物である。 これらの中には『本生譚』で過去仏として紹介された人物がおり、今後『本生譚』や『華厳譚』を対象に特定のテーマを持って開発したデータベースやデジタル蔵経(Digital canon)に人物情報を連携して提供することができるだろう。
本辞書にはクラス法文(Text)、場所(Place)、行為(Action)、遂行(Moral)の個体が登録されている。 特にnote項目では、法文の中で善哉童子が53人の禅知識と法談を交わす際に交わした質問と答弁のうち、核心的な事項だけを経典から持ってくるか、要約した。 禅知識との法談内容を選定してまとめた基準は、清涼国師の『大方廣仏華嚴経』についての注釈書である『清涼の疏』を脚注に記載した金潤洙訳注の80巻の華厳経と東国大学校仏教学術院が提供する『仏教記録文化遺産アーカイブ』の80巻の華厳経であり、それをはじめとし、華厳十二支とバラミルなどの華厳教学と関連した用語もまた入法界品の仏教用語辞典に記載されている。

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華厳経入法界品に登場する行為者クラスの菩薩、善知識、四衆から行為者クラスのノードに作っていない講義者、例えば名前だけが記されていて仏殿で梵談をしたり又は聞いたりした記録がなく法会に出席したという記録しかいない人物さえも本辞書に登載している。
入法界品登場人物事典には計558人の登場人物が登載されており、そのうち188人は釈迦の過去仏として論じられた人物である。これらの中には『本生譚』で過去仏として紹介された人物もおり、今後研究がもっと深化されるものであれば『本生譚』や『華厳経』を対象に開発したデータベースやデジタル蔵経に人物情報を連携して提供することができるだろうと考える。


2.3.2. 入法界品仏教デジタル用語辞書

本辞書にはクラス法文(Text)、場所(Place)、行為(Action)、遂行(Moral)の個体が登録されている。また華厳十地と波羅蜜などの華厳教学と関連する用語も記載されている。 特にNote項目では、 善財童子が53人の善知識と法談を交わす際に聞いた質問と答弁のうち核心的な事項だけを経典から引き出して要約した。 善知識との法談内容を選定し纏る作業に扱ったテキストは淸凉国師の『淸凉疏』を[華厳経]の脚注に記載したキム・ユンス著の「80華厳経」と東国大学校仏教学術院が提供する『仏教記録文化遺産アーカイブ』の実叉難陀訳本「80華厳経」である。
入法界品仏教用語辞書は、善知識の法文とその付属法文を合算した結果、それに関わる単語が計110個であり、入法界品登場人物辞書と纏めて数を整理すると次のようになる。

電子仏教辞書 クラス 単語
入法界品登場人物辞書 行為者(Actor) 558
入法界品仏教用語辞書 法文(Text)、場所(Place)、 行為(Action)、修行(Moral) 110
総計 行為者(Actor) 668

[表4. 入法界品登場人物辞書、入法界品仏教用語辞書単語総計]

3.総合考察

本研究は仏教經典をデジタル媒体で読み探求する方法を模索する研究の一環として、高麗大蔵經の「華厳經」の付属品である『十地品』と『入法界品』を扱い2つの品の間にある相関性をデータで表現し『入法界品』の求法者である善財童子をめぐる核心的な文学展開要素を視覚的に表現する方法を講究したものである。
その研究方法として、高麗大蔵経に所蔵されている実叉難陀訳本『大方廣佛華嚴經』を扱い『入法界品』に登場する人物と彼らに関係のある説法や修行などの情報を一目瞭然に確認できるように『入法界品』を構成する要素をセマンティックデータノードに変換した。ノードをクリックすると、そのノードを中心に善財童子の求法巡礼が拡張されるように設計した。
また、高麗大蔵経の華厳経変相図を活用し、変相図中の善知識や菩薩の絵をクリックするとその菩薩の情報リンクに連携し誰がどのような説法をしたのか經典情報を同時に接する一方、『十地品』と『入法界品』のテキスト分析により、「入法界品登場人物デジタル 辞書」と「入法界品仏教デジタル用語辞書」を構造化し、本研究のメディアウィキ空間で提供した。その辞書情報は『華厳経入法界品デジタルアーカイブ』のセマンティックデータが持つ情報URLを通して繋がる。
本研究は、これまでの韓国の『仏教記録文化遺産アーカイブ』が高麗大蔵経を提供する場合原型に固守する分類体系を守っていたことを考え、『入法界品』テキストを在編纂した。
『華厳経立法系品デジタルアーカイブ』を開発し、内容側面では『十地品』と『入法系品』、「80華厳経」が持つ書誌的、思想的な歴史との関係を究明し、外部側面では非階層型セマンティックデータべースを構築し『入法界品』テキストを在編纂した。それは『入法界品』に登場する人物と場所、法文と修行がお互いに持つ関係を階層的順序ではなく意味論的に接近できるようにした。

高麗大蔵経はユネスコが指定した韓国の世界記録文化遺産であり、日本で刊行された「大正新修大蔵経」の一部の蔵経の母本を提供し、仏教文献の研究者らに世界的な名声を得ている。デジタル空間を活用した研究が当然になっている新たな時代を迎え、その記録文化の価値に見合う研究が発展する為には経典を活用した研究方法が多様化し又は世界的な舞台に流通させる為に研究成果をデジタル空間にオープンデータとして共有し資料そのものの扱いを活性化されなければならない。本研究はこのような要請に寄与するものであると考える。